教育目的・目標


教育目的

 本学科は、高度技術社会の基盤技術であるナノ・バイオテクノロジーを構成する「機能材料」の開発に従事する高度技術者および研究者の養成を目的とする。 この目的のため、新規合成法、プロセス技術の開発および診断・評価技術を駆使して、原子分子レベルで物質を設計し制御することにより、高機能材料とそのデバイスを創出する原理を体系的に教育する。 なお、分子バイオテクノロジーが近未来の重要な機能材料を生み出すだろうという認識から、本学科はバイオ教育を積極的に取り入れる。 このような教育方針は、既存の各産業と近未来における新産業の多様なニーズと新素材開発の技術発展に柔軟に対応できる人材の養成を目指すものである。 さらに、物性科学の幅広い知識を身につけた学際的専門性を持つと同時に、科学技術全体に対する広い視野と科学技術者の社会的責任を自覚し、また、国際社会で活躍できる人材を養成することを目指す。


教育目標

上記の目的に対して、本学科では教育目標を、次の6大項目(A、B、C、D1、D2、E)および20小項目 (A-1, 2, 3, 4, 5, B-1, 2, C-1, 2, 3, 4, D1-1, 2, 3, D2-1, 2, 3, E1-1, 2, 3) から構成している。

目標A 独創的な科学技術が、科学技術者の豊かな教養に裏付けられた先見性あるビジョンによってこそ生まれることを鑑み、科学技術者としても、 社会人としても、時間的および空間的に大局的な視点から自ら批判的に考える力をもつように、教養を涵養します。目標Aは、具体的には次の5項目を含みます。

A-1自分の考えを明確に主張することができる。
A-2自然現象・物質・材料と社会・産業とのかかわりについて説明できる。
A-3機能材料工学の網羅する分野を広く理解し、機能性材料が近未来の技術にどのように貢献できるかを提案できる。
A-4国際化の時代にふさわしい社会人として、異文化の理解に努め、異文化圏の人々と交流できる。
A-5人文学科目群、社会科学科目群、自然科学科目群からなる教養科目(基盤科目)によって習得された科学的基礎知識に基づいて、広い視野からものごとを考察できる。


目標B 機能材料工学が社会において果たしている役割や、その社会および自然に及ぼす影響・効果に関する理解力や責任など、科学技術者としての社会的責任を自覚する能力を涵養します。目標Bは、具体的には次の2項目を含みます。

B-1基礎および専門工学に関する知見を用いて、科学技術が社会や自然に及ぼす影響を説明できる。
B-2技術者倫理が必要とされる社会背景を理解し、新規機能材料の開発・研究者が社会組織の中で果たす役割を説明できる。


目標C 科学技術者として自立するために必要なリテラシー能力を涵養します。目標Cは、具体的には次の4項目を含みます。

C-1日本語の正しい使い方を習得し、他人に理解してもらえる論理的な口頭説明および記述ができる。
C-2科学技術者として必要な英語を読み、書き、話し、聞くことができる。
C-3コンピュータ等を活用した適切な文献検索およびプレゼンテーションができる。
C-4コンピュータにおける演算処理原理(ハード)を理解し、初歩的な情報処理システム(ソフト)を製作できる。


目標D1 機能材料工学が物性物理・材料化学・電子工学・生物工学の境界に拡がる学際科学であり、確立された伝統的工学分野と異なることを鑑み、数学、基礎物理、基礎化学・生物の各領域の基本的理解力を涵養します。目標D1は、具体的には次の3項目を含みます。

D1-1微分積分学、微分方程式、線形代数、確率統計学、複素数などの数学に関する問題を解くことができる。
D1-2力学、振動・波動、電磁気学、量子論、熱力学、統計力学などの基礎物理学に関する問題を解くことができる。
D1-3物理化学、基礎化学、分子生物学に関する問題を解くことができる。


目標D2 機能材料工学の基盤としての物質・生命現象とその数理・発現メカニズムを、実験および演習を含めて体系的に学習します。機能材料工学は学際的な先端科学技術領域であることに鑑み、大学院博士前期課程へ進学し、さらに研鑽を積むことが可能となるような学力を身に付けることを専門工学教育の到達目標とします。目標D2は、具体的には次の3項目を含みます。

D2-1物質・生命現象の発現メカニズムを機能性材料・デバイスに関する演習および実験を通じて理解できる。
D2-2機能性材料・デバイスに関する物質・生命現象とその発現メカニズムを理論的に理解できる。
D2-3機能性材料・デバイスのみならず関連する他の学問分野(環境、反応論、材料力学、センサ工学、集積回路など)の考え方・知識を習得し機能性材料の設計・デザインに応用できる。


目標E 物理と化学の基礎学力および機能材料に関する専門知識と周辺知識を用いて現状の分析、諸問題の発掘、問題解決の経験を積むことにより、自ら新しい課題を設定し、それを創造的に解決するデザイン能力を涵養します。目標Eは、具体的には次の3項目を含みます。

E-1目標A、D1およびD2で習得した知識と涵養した学力を活用することによって、機能材料・デバイスに関する現状の分析と問題点の発掘ができる。
E-2目標B、D1およびD2で習得した知識と涵養した学力を活用することによって、自ら機能材料・デバイスに関する新しい課題を設定できる。
E-3目標C、D1およびD2で習得した知識と涵養した学力を活用することによって、設定した課題を与えられた制約の下で解決することができる。



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