近年、私たちの身の回りの照明を有機分子による光でまかなおうという研究が盛んに行われています。"有機EL照明"と呼ばれるこの技術は、
従来の照明に比べ、 @)薄い・軽い A)省エネルギー B)照らす範囲が広い といった多くの利点をもっています。 有機EL照明に用いる発光材料には、安定性や、デバイスへの加工のしやすさに加え、何より"白く光る"ことが必要とされます。 これまで、数種類の色の発光分子を、混ぜる、つなげる、小さなドット状に並べる、といった方法で白色の発光を示す分子の探索が行われてきました。
生物における光といえば、ホタルの光が挙げられます。これも実は、有機化合物が発する光なのです!!誰もが感動し、 一方で安心するホタルの光で照明をつくることができたら、どれほど美しく、快適であるか想像に難くありません。 (紹介者:埼玉大学大学院 理工学研究科 機能材料工学コース 小林悠太)
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参考文献: | "Fine Tuning the Energetics of Excited-State Intramolecular Proton Transfer (ESIPT): White Light Generation in A Single ESIPT System", Kuo-Chun Tang, Ming-Jen Chang, Tsung-Yi Lin, Hsiao-An Pan, Tzu-Chien Fang, Kew-Yu Chen, Wen-Yi Hung, Yu-Hsiang, and Pi-Tai Chou. J., Am. Chem. Soc., 2011, 133, 17738 |